これってディーマー?授乳がつらいと悩むママへ、経験者からのアドバイス
妊娠と出産を乗り越え、やっと会えた愛おしくてたまらない我が子。
しかし、「授乳をするのがイヤ」「母乳育児がつらい」と感じるママも少なくありません。
この症状はママのせいではなく「ディーマー」という生理現象です。
筆者もそのうちのひとりで、なかなか周りに相談できず悩んだ経験があります。
今回は、ディーマーへの対処法や筆者の経験談を紹介します。
授乳がつらいと悩むママの気持ちが、すこしでも楽になれば幸いです。
ディーマー(不快性射乳反射)ってなに?
ディーマーとは、赤ちゃんへの授乳が不快に感じることです。
「不快性射乳反射」とも呼ばれており、授乳する前後に以下の症状を感じます。
- 不安
- 悲しみ
- いらいら
- 恐怖
ネガティブな感情、吐き気や涙がでるなど、授乳するたびにさまざまな不快症状が現れます。
ディーマーが起こる原因
ディーマーが起こるはっきりした原因は解明されていないものの、「ドーパミン」が関係しているといわれています。
ドーパミンとは幸せホルモンと呼ばれ、喜びや意欲をもたらすはたらきがあるものです。
母乳を作る際にドーパミンを下げてしまうホルモンも分泌されるため、不快症状につながるとされています。
症状の有無は人によって異なるものの「愛情が足りていないのかも…」と心配する必要はありません。
ディーマーが起こる人の割合
ディーマーが起こるのは授乳をする母親全体の約9%と言われています。
ただし、ディーマーは比較的新しい概念であり、認知度もまだ低いです。
実際はもっと多くの母親に症状があると考えられています。
ディーマーと産後うつの違い
ディーマーも産後うつも、ともに産後の女性のメンタルに影響を与えるものですが、まったく別ものです。
主な違いは以下の3点です。
◉原因の違い
・ディーマー
授乳分泌ホルモンであるドーパミンの一時的な低下が原因と考えられています。
・産後うつ
ホルモンバランスの変化、睡眠不足、ストレス、社会的サポートの欠如など、複数の原因が関与しています。
◉症状の持続期間
・ディーマー
基本的には射乳反射が起こっている間、つまり子どもが母乳を飲んでいる間のみに症状が現れます。
通常は、数秒から数分程度で症状がおさまります。
・産後うつ
症状は長期的に持続し、日常生活に影響を与えることもあります。
◉治癒方法
・ディーマー
カウンセリングや情報提供による理解と対処法をおこないます。
・産後うつ
心理療法や薬物療法などの治療が中心です。
また、社会的なサポートも重要になります。
ディーマーはいつまで続く?
ディーマーは、期間も症状も人によってさまざまです。
数ヶ月で徐々に落ち着くママもいれば、授乳の期間がおわるまで症状が続く場合も。
2人目以降の授乳にも症状が続くケースもありますが、強さや頻度が同じとは限りません。
筆者の場合は、授乳が始まってから3分ほどで不快な症状は終わるものの、断乳するまで続きました。
不快な症状への対処法
ディーマーの不快症状への対処法は、できる限り授乳から意識をそらすことです。
お菓子を食べたり、音楽をきいたり、リラックスしながら授乳しましょう。
母乳にこだわりすぎず、無理せずにミルクに切り替えることも有効ですよ。
また、パートナーや家族にも症状を伝え、サポートを求めることも大切です。
あまりに症状がひどい場合は、産婦人科や地域の支援センターでも相談に乗ってくれますよ。
筆者の経験談
筆者の場合は第1子を出産後、はじめての育児・授乳でディーマーを経験しました。
「人間ではなくなったような感覚」や「ゾワゾワとした恐怖や不安」が現れ、授乳の時間が苦痛でした。
「自分には母性がないのでは?」と、産後のホルモンバランスも相まって不安定になり涙がでることも。
できるだけ授乳のことを考えずに対処していましたが、産後1ヶ月ごろに完全ミルクに切り替えました。
ディーマーという言葉を知ったことや、母乳にこだわらずミルクでも問題ないと聞いて、気持ちが楽になりましたよ。
まとめ
ディーマーによるさまざまな不快症状は生理現象であり、ママの愛情不足ということはありません。
適切な対処法をおこなって、周りの人に頼りましょう。
授乳がつらいと感じたら無理しすぎず、ミルクへの切り替えも検討してくださいね。